大学で研究室の助教を務める覚は、
同じ大学に通う真千子との結婚も決まり、
平凡だけれど幸せな人生を送っていた。

ある日、
二人は研究室の調査で向かった滝で、
謎の長球形の物体と出逢う。

正体不明の物体に、
危険性を考慮して調査を
取りやめようとしたその時、
真千子が「それ」に触れてしまう。

その日から、
真千子の体に
異変があらわれ始め、
そして。

彼女の記憶が、
少しずつ消えはじめた。

普通の家。
幸福ということ。
僕は幸せに育った。マチも幸せに育った。
僕らはとても幸せな時間を過ごしてきた。
けれどもし僕とマチの二人が揃っていたら。
そしたらもっと幸せになれるんじゃないかと、
何の根拠もなく、でもどうしようもなく、
そう思ってしまう。
それはただの無い物ねだりなのかもしれないけれど。

発売記念コメント

著者鏡 はな

小さな頃は何の興味もなかったのに、今は大好きなものがあります。
子供の時は本気で楽しんでいたのに、今は見向きもしないものがあります。
その変化は長い時間がもたらしたものです。
コーヒーが飲めるようになったのも、ケーキを沢山食べられなくなったのも、
すべては時間の賜物です。

『時間』の物語の中でも、時間は流れます。
大きく変わるものがあると思います。
それでも変わらないものがあると思います。

読者の皆様と、大切な時間を共有できましたなら幸いです。

鏡 はな

時間

  • 著者:鏡 はな
  • イラスト:やなぎ楓
  • 美術・背景:内山周哉
  • 発売日:2020年2月21日(金)
  • 価格 :648円+税
  • ISBN:978-4-910052-02-1

第10回京都アニメーション大賞奨励賞受賞作品
これは一人の男が貫いた、あまりにも切ない愛の物語。

大学で研究室の助教を務める有馬覚は、
同大学に通う時任真千子との結婚も決まり、
平凡だけれど幸せな人生を送っていた。
だが禍は突然やってくる。
正体不明の長球体――それに触れてしまってから、真千子の記憶が少しずつ消え始めていく。
彼女を救おうと「それ」の正体をさぐる覚は、予想だにしない答えに辿りつく。
それは幸せの真っただ中にいた2人に襲い掛かった唐突な理不尽。
2人に待ち受ける、衝撃の未来とは――。

KAエスマ文庫史上最大の感動がここに。