立ち上がる

初めまして、アニメーター科講師の熊野です。
現在、立ち上がる動きの授業を担当しています。

授業では、始まりの絵と終わりの絵は同じ物を渡して「立ち
上がる」を描いてもらいました。当然ではありますが塾生の
一人ひとりに動かし方の個性があり、アニメーションの面白
さを感じながら授業を進めています。

「立ち上がる」は日常動作の一つなので、実際に自分で体を
動かしたり、他の人の動きを観察したりと実体験を反映しや
すい課題です。

今回、課題に取り組むにあたって、重心の移動や動作の軌
道、動きのタイミング等を考えていく中で普段は気にしてい
ないところに意識を向けることにより、発見があると思って
います。

授業に限らず日々の発見を積み重ねて、成長につなげていっ
てもらいたいと思います。

【塾生】現在取り組んでいる課題と、そこから学んだこと

【京都アニメーション アニメーター科 第29期前期生】

現在取り組んでいる「動き」の課題について記します。

私が動きの課題で講師から頂いた最初の評価が、「出来の悪いワイヤーアクションのようだ」でした。とてもショックでした。始めは講師が教えてくださる事の内容がよく理解できず、その事が気になり夜も眠れないほどでした。しかし言われたことを噛み締めよく考えていく事により、段々と課題に生かす事ができるようになっていました。

そして最近になり、私は始めに描いた課題を見て大きな成長を実感しました。確かに動きに力強さもない出来の悪いワイヤーアクションのようだと感じるほどに。

絵に限りませんが、常に考える事。ただ数をこなせば良いわけではなく、何故理想の動きにならないのか、重心か、タイミングか、手か、足か、画力か、はたまた根本的な考え方が違うのか。描いて見て考えて描いて考えて見て描き続ける事こそが大きな成長に繋がるのだと感じました。
しかしそればかりでもただ疲れるので楽しく自信を持つ事も忘れずに描き続けたいと思います。

 

【京都アニメーション アニメーター科 第29期前期生】

現在『立ち止まる→走り出す』の作画課題に取り組んでいます。キャラクターが画面外から勢いよく走り込み途中で停止して、その後再び画面外へと走り抜けていく一連の動きを描いています。私は難航しているこの課題ですが、講師の方の力を借りて何度も修正していくうちに、アニメを描くことの醍醐味が見えてきたと感じ始めました。

それは当然の動きを当然に見えるように描くことの難しさ、という話でもあります。私たちが日常生活で無意識に、あるいは意識的に行っている動作には実はたくさんの決まり事があり、キャラクターの動きにはそれらが適切に落とし込まれている必要があります。だからといって必要と思われる要素のみに絞った絵で揃えても記号的で、求めている自然さからは遠くかけ離れることになり、自然且つ華のある良い動きを描こうと思ったら、その運動の要点を掴んだうえで私自身の実感を絵に乗せることができなければならず、講師の方からはよく自分の描いた動きの感触や印象を尋ねられることになりました。そして、それを言葉にするのが難しいと感じる度、見てもらうことで感覚を共有できるだけのものを作れればいいのに、ともどかしさを感じてしまいます。

しかし、この難しさがそのまま描くことの楽しみといえるのかもしれない、とある時ふと思い至りました。思うようにならないことばかりだからこそ、思いもよらぬ興味深い意見、素晴らしい提案に出会えることもあります。試行錯誤しながら出来上がったものはまだいまいちでも、良い変化を望んで向き合っている時間は確かに楽しいものです。

学んだアニメのセオリー、そして楽しみを大事に、今後も自分の課題と共に良い時間を過ごせるよう努めていきたいと思います。

ポーズをとることで学ぶ

はじめまして、アニメーター科講師の宮城です。
前回はクロッキーの授業を担当しました。

 

クロッキーは描いているときはもちろん勉強になりますが、実はモデルをしているときも意外と勉強になります。

 

1分という時間は、描く側からすると、なんて短いんだ!と思いますが、モデルの側からすると、1分ってこんなに長かったっけ!?と、手を上げたポーズなどとっていると、だんだん手が下がってきてぷるぷると姿勢が保てなくなっていきます。

しかし、そのぷるぷるも含め、実際にポーズをとることで、そのポーズの重心がどこにあるかなど、”体感”することができます。

 

絵を描くとき、この“体感”を絵に込めようと意識することはとても重要です。

 

机に座って描いているだけだと、ついこの“体感”を忘れてしまい、人形のように、どこに力が入っているのかわからない人を描いてしまうことがあります。

少し立って、ポーズをとるというだけで驚くほど発見はあるのです。

 

クロッキーのモデルをしているときも同じく、一つのポーズを長時間とるなかで、きっといろいろな発見があり、人体への理解が深まるはずです。

この小さな発見を、なんとか紙に落とし込もうという強い意思が、その人の絵を変える大きな力になると思います。

 

【塾生】現在取り組んでいる課題と、そこから学んだこと

【アニメーションドゥウ アニメーター科 第29期前期生】

塾が始業し早3か月が経ちました。4月中旬から5月末まで続いた自宅学習期間も終わり、 やっと元通りの通塾生活が戻ってきました。3か月も課題をこなし続けていると、そろそろ自分の課題がハッキリしてくる頃です。

現在私は、クリンナップから中割りに移行した段階にあります。まず、大まかに言いますとクリンナップとは原画を一本線の滑らかな絵に仕上げる作業です。新人アニメーターが最初に取り掛かる作業行程であり、これができないと始まらないとのことでした。そしてこの次の段階が中割りになります。原画と原画の間に絵を足し、対象物の動きを滑らかにする仕事です。

次の段階と記しましたが、作業量が増えたとしてもクリンナップの心得を忘れてはなりません。講師陣からは度々「クリンナップはなぞるだけの作業ではない」「対象物の形を捉え、(表情は特に)ニュアンスを拾うのが大事」「柔らかい線を」など指摘を受けます。頭では分かっていても目先の線にしか注意が向かず、なかなか思う線が引けませんでした。

そんな時、塾が再開して間もない日の授業で、クリンナップの添削をしていただいた時の事でした。講師の先生に目の前で私のクリンナップを描き直していただき、驚いたのです。Youtubeに、画質設定のボタンがあると思います。144pは最も粗い画質設定ですが、これが私のクリンナップ品質と考えてください。その上から講師の先生が描かれた途端、最上画質の1080pになってしまったのです。これが画面でなく、紙面上で行われたものだった(そして、こんな場面を目の当たりにするのは人生で初めての経験だった)ので、とても驚きました。それに、作業風景を間近で見ることによって、度々指摘をいただいていた事がはっきりと理解できたのです。それ以降私のクリンナップはガラっと変わり、日々自分の思うような線に近づきつつあると感じております。

数を描くのは勿論大切です。ただ、この経験から「見る」ことも同じかそれ以上大切だと実感しました。

 

【アニメーションドゥウ アニメーター科 第29期前期生】

現在取り組んでいる作画課題「飛び越える」で得た学びをお話します。

アニメーションは人物、感情、空間、物、風、光も影も言ってしまえば全てが嘘の作り物です。
ではなぜ作品を観ていて登場人物に深く共感したり、目が腫れるまで涙を流したりドキドキするほどの勇気が溢れてきたりするのでしょうか。

まず、アニメーションの作画ではキャラクターが動いているように見せる為に実際の人間の動作より誇張させたポーズでキャラクターを描けねばなりません。
しかしその一方で、一連の動きとして嘘にならない現実味のあるもの、リアリティーも求められます。

誇張とリアリティー、双方の兼ね合いの末にキャラクターは説得力のある動きになり、説得力を持った存在になるのだということを学びました。

そのように「生きている」という説得力を作品の中のキャラクターひとりひとりがしっかり持っているからこそ、共感、感動、興奮ができるのかもしれません。
そしてその説得力のある動きを作り出すことがアニメーターだからこそできることのひとつなのだと思います。

このような気付きや学びのひとつひとつを大事に、焦らず零さず一歩ずつ進んでゆきます。

クロッキー

アニメーター科講師の佐藤です。
本年度はクロッキーの授業を主に担当しています。

クロッキーは瞬時にシンプルな線で対象の形を描き出す能力を鍛えます。 アニメーターは素早く正確に大量の絵を描かなければならない仕事です。 私はこの能力を鍛えることがアニメーターとして活躍していくためには非常に大切だと考えています。

最近の授業では、ポーズの1周目は4分。2周目は3分。3周目は2分。4周目は1分。 以降はずっと2分で行っています。この時間の使い方は塾生自身に任せています。
私の時間の使い方はは4分、3分は時間が余るので人物以外に背景を描きこむことが多いです。
2分より短くなると人物中心になります。
特に1分ともなると少ない時間で対象を必要最小限の線で素早く的確に描かなければなりません。
必然的に集中力が研ぎ澄まされていきます。
雑念が消えた結果でしょうか、2分のときより良い絵が描けてたりします。 私もまだまだ学ぶことが多いです。

クロッキーは描けば描くほど上達していきます。
塾生の皆さんも授業時間以外でもガシガシ描いてもらって上達していって欲しいと思っています。
共に上を目指して進んでいきましょう。