一つ形になると見えるもの

「原画」主に「動き」に関する授業を担当させてもらっています。アニメーター科講師の山村です。

講師を担当させてもらい早一年。
塾生の皆さんの卒業制作にて締めくくりとなります。
一からアニメ制作を学び、取り組んできた塾生の皆さん。
教える立場として間近で見てきた私としては
とても感慨深いものがあります。

振り返ってみると教えている時に
ある言葉を何度も言っていたような事を思い出しました。

それは「まずは形にしてみましょう」という言葉です。

最初に何かを表現する時に「悩んで」
結局形にならないまま終わるという事は多々あります。
悩むのはとても大事な事ですが、形にならないままだと
何も得るモノはありません。

一つ一つの課題を乗り越え「形」になったからこそ、
自分がわかってきます。
小さな一歩は大きな一歩に繋がります。
そしてどんどん道が広がります。

卒業制作という「形」が塾生の皆さんの「大切な経験」となり
新たな自分と向き合う鍵になることを願っています。

絵から感じるもの

美術・背景科講師の平石です。

3月になりました。
29期前期生には最後の1ヶ月です。
カリキュラムは1年ありますが、いつもあっという間に過ぎます。

この期間に講師としてどれだけの事を塾生に伝えられたのかといつも考えます。
塾生一人ひとりに伝わりやすいと思う方法を考え、技術や考え方を話しても習得できることは、ほんの僅かな量です。
それだけ習得することは簡単ではないのだと思います。
しかし塾生は今できることをやるしかありません。

美術・背景科の卒業制作で描かれた絵からは技術以上の力強さを感じました。
これは塾生自身が試行錯誤した結果であり、表現したいという気持ちが絵に込められているからなのだと思います。
本人にとっては至らなかった、もっとこうしたかったという部分はあるでしょうが、この強い気持ちがあればどこまでも成長し続けられます。
今の精一杯を出し切ったならまた次の1歩へと歩みを止めることなくさらに進んでもらいたいです。

【塾生】現在取り組んでいる課題と、そこから学んだこと

【京都アニメーション アニメーター科 第29期後期生】

私は現在、振り返る動作のアニメーション、均等な中割、アクションシーンのレイアウトの課題に取り組んでいます。

それぞれ目的や必要とされる技術の違いはあるのですが、課題すべてに共通する部分も決して少なくないと感じるようになりました。

その中でも、美的感覚はアニメーターを目指すなら必要不可欠だと度々思います。普段何気なく観ているアニメやドラマにも、制作側の意図やこだわりが詰まっており、それを見逃していては自分の力にはなってくれません。それは作品以外にも言えることで、日常生活で目にする物や人々の一挙一動を美しいと感じ、その感動を伝える為にアニメーションに起こすことが大切なのだと学びました。

振り向くアニメーションに挑戦した際、いかに自分が日常動作を観察できていないかを思い知ることができたので、常に美的感覚のアンテナを高くする意識を持っていこうと思います。

【塾生】現在取り組んでいる課題と、そこから学んだこと

【京都アニメーション アニメーター科 第29期後期生】
現在私は動画の中割りの課題、振り返る人の動きを描く原画の課題、絵コンテからレイアウトを起こす課題に取り組んでいます。
それぞれの課題に取り組む中で、様々な改善点が浮き彫りになってきますが、最近は自分の中の根本的な問題の発見につながってきたと感じています。
例えば中割りの際に重要となってくるのがクリンナップなのですが、良いクリンナップをするためにはただ線をなぞるのではなく、形を捉えて意志を持って線を引く必要があるのだと教わってきました。しかし私はまだクリンナップで原画の印象を表現しきれずにいます。
また私は原画を描いていても、ラフの時に表現できていた印象を清書したときに失ってしまい、描くポーズが固くなりがちです。
つまり私は自分で描いた絵ですら漠然としか捉えられておらず、自分の表現にできていないのです。
これらの問題の根本的な原因は、私が一本一本の線を侮っていることだと思いま す。一本の線に表れる甘えがどれだけの印象の差を生むか、理解していないのです。
これは動きを描く上でも同じことが言えます。
どんな画であっても、つなげば最低限「動いて」見えますが、この段階ではアニメーションとは呼べないのだと分かってきました。画の一枚一枚が前後の動きや感情を予感させるものでなければ、表現の域には到達できないのです。
一枚一枚の画の精度、画の中の線一本一本の精度がとわれるのがアニメーションです。
このように私は課題に取り組む中でアニメーションの本質と、自分が抱える問題点に気づくことができました。
その上で、アニメーターを目指す私の最初の課題は線一本一本に誠実に向き合うことなのだと考えています。

【塾生】現在取り組んでいる課題と、そこから学んだこと

【京都アニメーション 美術・背景科 第29期前期生】

私は今B2サイズに背景を描くという卒業制作の2枚目に取り掛かっています。

卒業制作に取り掛かる際に、今まで講師の方からご教授頂いたことを踏まえつつ自由に描くということを決めていました。
一ヶ月という期間で日頃描いている4倍のサイズに向き合うと考えたときに、集大成として描きたいものと今の自分の実力とのギャップで出始めから悩み、終着点を見失い弱気になることもありました。
しかし、出来ないかもしれないという気持ちから妥協して選んだものは、後々保身に走ったことを後悔し制作も楽しめないと思い、最後には挑戦もかねた表現したい題材を選べたと思います。なので四苦八苦しながらも完成まで楽しく描くことができました。
また、今回思い切って挑戦したことで苦手なものと向き合うことへの自信もついたので、2枚目はより完成度の高い絵にしていけるよう励みたいと思います。