スペシャル

著者:橘 悠馬 書き下ろしキャラクタートーク

一、毒見のすすめ

それは、典薬寮に新しく届いた薬種を整理していたある日のこと。

雪代

「飛廉、毒見の訓練に付き合ってもらえる?」

飛廉

「雪代様……いくらなんでも、それは危ないことですよ。主が毒見するなんて……わたしはさせませんよ。絶対に止めてみせます」

雪代

「あ、わたしが毒見するんじゃないよ? 飛廉が毒見するんだよ?」

飛廉

「わたしを毒殺するおつもりですか! 笑顔で物騒なことをおっしゃらないでください!」

雪代

「いや、これは薬師や医生の職掌上、必要なことなんだよ。毒物の研究は薬種の研究につながる。いつか言ったでしょう、薬と毒は表裏一体だって。だからこれは薬の研究なんだよ」

飛廉

「おそろしいことを仰らないでください。絶対嫌です。毒見なんて付き合いませんからね」

雪代

「なんでわたしの頼みは聞いてくれないんだよ……天籟じゃないと駄目なの?

飛廉

「……なんで天籟殿の名前がでるんですか」

雪代

「以前、天籟の水干は喜んで着ていたじゃないか」

飛廉

「喜んで着ていません!」

雪代

「でも着ていたじゃないか。それは事実だろう」

飛廉

「わたしは女装趣味なんて持っていませんから。無理やり着せたのは雪代様じゃないですか!

雪代

「女装趣味は吹聴しないであげるから、毒見の訓練、付き合ってもらうよ。じゃあ棚からこの覚書に書いた薬種を取ってきて」

飛廉

「もうやだ……こんな職場」

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発売記念コメント

著者:橘 悠馬

皆さん初めまして。橘悠馬です。

小説が完成した時、スティーブン・キングの言葉を思い出しました。
『作家になりたいのなら、絶対にしなければならないことがふたつある。たくさん読み、たくさん書くことだ』
これまでたくさんの素敵な本に出会いました。何度も何度も読み返して、『いつか自分もすごい作家になってやる!』と意気込んで、なんとかここまでやってきました。
自分の本棚にあるのは巧妙な話術やトリック、絶妙な構成に衝撃を受けた本ばかりです。
それらの本に比べれば、『典薬寮の魔女』は拙い処女作。
でも、読んでくださる人たちに伝えたい物語はしっかり詰め込みました。

この一冊が皆さまにとって素敵な本になりますように。
そして、皆さまがこれからも素敵な本と出会えますように。

イラスト:遠田志帆

発売記念 応援イラストコメント