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発売記念コメント

著者結城 弘

こんにちは、結城弘です。
今作は明治時代が舞台ですが、明治と聞くとどんなイメージを抱かれますか。
現代とはまるで違う世界を想像されるかもしれませんし、固い印象があるかもしれません。
この物語は、現代を生きるみなさんと同じように登場人物たちが
笑ったり、泣いたり、悩んだり、突っ走ったり、人を好きになったりする、そんなお話です。
是非とも彼らの賑やかな道中を楽しんでください。

イラスト池田和美

美術・背景長谷百香

京都アニメーション
石原立也 推薦コメント

まずは私事ですが、僕が「写真」に興味を持つきっかけとなったのは
幕末に撮影された写真を見てからでした。
まるで時代劇みたいな人たちが、生き生きと綺麗に映っている!
まるでタイムマシンのようだと思いました。

そして、明治に入り電化が進み、
低い町並みに電信柱が立ち、電車の架線が張り巡らされた京都の風景は
今見ると「ファンタジー的異世界」です。
当時の人々はそんな光景を目の当たりにしつつ、どんな未来を思い描いたのでしょう?
それは西暦2000年前後のネット社会への移り変わりに匹敵するくらい
あるいは目に見える分、それ以上に
ドラスティックな変化だったと思うのです。

当時の人々の想像力はとても豊かで、エアコンやテレビ電話は言うに及ばず
巨大な空中戦艦なんかも予想されていたようです。
僕なんかも子供の頃は、21世紀になればヒトは火星や木星に行っていると思ってましたし
(当時のアニメや漫画を見てもらえば分かると思いますが)
人間そっくりのアンドロイドやエアカーなんかも現実になっていると思ってました。

現在SNSなどでコミュニケーションがとりやすくなった一方、
人との距離感が近すぎるのかギスギスした息苦しさを感じることもあります。
だけど僕はテクノロジーというのは人の幸せの為にあると思うのです。
きっと今の技術も、より良く使えるようになると信じています。

この物語の主人公は、電氣の時代がやってきて
これからいろんなものが変わっていく事を夢みる、お寺の息子。
ヒロインは神様を信じる酒造メーカーの娘。

激動の明治時代、
現代ほど恋愛は自由ではなかったかもしれませんが
人間の気持ちにそう変わりはないはずです。

時代は変われども、人はいつだって恋をするのです。

明治元年からちょうど150年にあたる年に、この本を出版できたのは
何かの「縁」みたいなものも感じます。