用語集
*以下、作中での登場順となっています。
明治時代
新暦1868年1月25日から1912年7月30日までの時代を指す。日本が西洋列強に負けないために、近代国家として成長していった時代。
二十世紀の豫言
1901年(明治34年)1月2、3日に、新聞に掲載された、二十世紀に実現されるであろう23項目を予想した記事。
尋常小学校
1886年(明治19年)に設置された初等普通教育を施す学校。当時の修業年数は4年間であったが、1907年(明治40年)には6年に延長された。1941年(昭和16年)に国民学校へ改組され、この名称は消えた。
抜け参り
江戸時代に流行した、伊勢神宮への集団参詣(お蔭参り)が発端になり派生した風習。奉公人が主人に、子供が親に対して無断で伊勢神宮へ参詣すること。伊勢神宮への参詣は尊いものと考えられ、奉公人や親は容認しなければいけない風潮があったとされる。
内国勧業博覧会
明治時代に、近代化促進のために開催された日本独自の博覧会。農作物から機械類まで多くの珍品、名品が出品された。第三回までは東京上野公園、第四回は京都市、第五回は大阪・天王寺で開催された。
あんじょう
関西の方言の一つ。「いい具合に」、「具合よく」というニュアンスで使われる。
蝋管蓄音機
円柱型の蝋管に音の空気振動で溝を刻むことで、音を録音再生する機械。刻まれた溝を針でなぞることで再生できる。
陸蒸気
明治時代の蒸気機関車の呼称。
せんどした
関西の方言で「何度も」「散々」という意味があるが、滋賀県では「飽きる」「くたびれる」という意味でも使われる。
夜学会
日中は様々な理由により正規の教育を受けられなかった子供たちのために開かれていた夜間の勉強会。喜八たちのように自主的に開かれていたものもあった。
檸檬発電
レモンに亜鉛版と銅板を差し込むことで、簡易な電池を作ることができる。クエン酸を含むレモン果汁が電解質となり、亜鉛から放出された電子が銅板に流れることで電力が生み出される。
祝言
結婚式、または婚姻を祝う場のこと。
藪入り
江戸時代に広がった風習で、住み込みの奉公人が家に帰ること。旧暦の正月である1月16日とお盆である7月16日がその日にあたった。明治時代以降まで続いたとされている。
杜氏
酒造りに従事する職人の総責任者を指す。杜氏の指揮下で働く人々を蔵人と呼ぶ。
麹室
日本酒の製造に必要不可欠な米麹を生育するため、適切な湿度と温度に保たれた部屋。かつては女人禁制という風潮が存在した。
幻燈機
絵を描いたガラスやフィルムに光源(ランプやろうそくなど)を透過させることで、絵を投影する装置のこと。
インクライン
川の傾斜が大きいために船が運航できない区間で敷設された、船を運ぶための傾斜鉄道のこと。京都の墨染や蹴上のものが有名。
三上山
滋賀県野洲市にある山。標高は432m。稜線の美しさから「近江富士」と呼ばれている。また、藤原秀郷による大ムカデ退治伝説から「ムカデ山」の異名も持つ。
内湖
かつて琵琶湖の周りに点在した水深2m程の小さな湖。明治から昭和初期までで40か所ほど確認されていたが、1942年(昭和17年)から始まった干拓事業により大幅に減少した。
陰匿善事
近江商人の心得の一つ。人が見ていなくても、人のために尽くしなさいという意味。名前を売ったり、見返りを求めるために善い行いをするのではないという意味が込められている。
厨子
仏像などを保管する、両開きの扉がついた仏具。