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「ムント」シリーズ舞台挨拶付きイッキ見上映会

イベントレポート

人々の心に残る名作を、多く世に送り出し続けている京都アニメーションの“原点”であり、完全オリジナルアニメーションの「ムント」シリーズ。主人公・日高ユメミと異界の王・ムントとの出会いから始まり、世界の崩壊に立ち向かうことを通じて、ユメミの“心の成長”が描かれている。本作のBlu-ray BOXが昨年ついに発売となった。

Blu-ray BOX発売を記念して、1月23日(日)、「舞台挨拶付きイッキ見上映会」と題して、新宿ピカデリーにてTVアニメシリーズ「空を見上げる少女の瞳に映る世界」全9話と、劇場版「天上人とアクト人 最後の戦い」の一挙上映会を開催!さらに、ユメミ役・相沢舞、ムント役・小野大輔、鶴岡陽太音響監督、そしてMCとしてグリドリ役・白石稔も登壇の舞台挨拶も実施。大きなスクリーンで本シリーズを楽しめるだけでなく、キャストやスタッフから当時の貴重なエピソードを聞くことができる盛りだくさんのイベントとなった。

TVシリーズ「空を見上げる少女の瞳に映る世界」全9話を鑑賞した観客へ、相沢は「また“日高ユメミ”と名乗れて、本当に幸せです」、小野は「TVシリーズを夜通し観てからここに来ました。皆さんと同じ気持ちで、今日は楽しみたいと思います」、鶴岡は「長丁場の上映をここまでご覧いただき、ありがとうございます。この作品の意義や意味をお伝えできればと思います」と挨拶をすると、話題は早速、本作のアフレコ時のエピソードトークへ。

当時の印象的な思い出を聞かれた相沢は「皆さん、音響ブースにいるスタッフの方を笑わせようと、アドリブを入れていました」と語る。他にも、「第5話の遊園地のシーンで、ユメミはイチコが作ってくれたおにぎりを食べずに、ムントのいる天上界へと行ってしまうのですが、イチコ役の堀川千華ちゃんから、アフレコ時に『おにぎり食べて!』と言われた思い出があります。凄く楽しいアフレコ現場でした」と当時の秘話を語った。小野はアフレコ時に、「遊園地のシーンに出てくるもん太郎の着ぐるみの声をやった記憶があります」と語ると「そうでしたね!」と相沢ら登壇者の思い出話が飛び出した。さらに、小野は本作参加をキッカケに、芝居が少し変わったと語る。「京アニ作品は絵に息づかいが鮮明に描かれているので、息の合わせ方は勉強になりました」と京アニ作品に参加したからこそのエピソードを述べた。鶴岡は本作の思い出に残っているエピソードとして、「木上さんの迸っているものを、どう受け止めていくか考えていました。木上さんはこの作品で伝えたいことがたくさんあって、台詞が長くて入らず、調整したこともありましたね」と木上監督との思い出を述べた。

さらに、小野から「鶴岡さんから見て、木上益治という人はどんな方でしたか?」と尋ねられた鶴岡は、「口数の少ない人だったので、木上さんのリアクションを拾うことを大切にしていました。仕事に対しては厳しい人だったので、ブラッシュアップして喜んでくれる姿を見ると嬉しかったです」と語った。小野も「たしかに多くは語らない方だったけれど、全部仕事で見せてくれる人でした」と木上監督の印象を述べた。さらに、白石は「この作品は今見ても、遜色ない。これを手描きしていたなんて凄いですよね」と木上監督の持つ唯一無二の技術を称賛した。

最後の挨拶として、鶴岡は「この作品が公開された当時、劇場がデジタル上映に切り替わる過渡期で、映画として長く残していける原版ではありませんでした。しかし、2019年に残していける形で完成できた。そういった意義と、京アニの原点として意味のある作品です」、小野は「この作品をまた観てもらえる機会ができて、ありがたいです。ムントもユメミも“未来”という言葉をたくさん投げかけてくれていて、未来へ進んでいく力というものを僕らに与えてくれます。13年前に公開されましたが、ずっと未来につながっていくような希望溢れる宝物のような作品です。みなさんにとってもそうなってほしいです」、そして相沢は「この作品は時の壁をこえていく作品。2019年に改めて映画館で観たときに、木上さんの心というものを感じました。木上さんが伝えたかった、唯一無二の想いがこれからもずっと生き続けるんだなと感じました。それと、音の迫力が凄いのでそれにも注目して楽しんでください」と、舞台挨拶後に劇場版を鑑賞する観客に向けて述べ、Blu-ray BOX発売記念イベントを締めくくった。

本作のBlu-ray BOXは好評発売中。さらに、6/10(金)には「ムント」シリーズ公式資料集の発売決定も発表された。まだまだ、目が離せない展開が目白押しとなっている。