INTRODUCTION

頑張りすぎるあなたへ
結城弘(『二十世紀電氣目録』)
京都アニメーションが贈る
少年少女の寄り道の記憶

「復讐」という目的に囚われた少年の
ある村での日々を描く。

オーロラの翼を生やす少女は言う。
「遠回りも必要」と。
でも、少年にとって、復讐は贖罪であり、
幸福への道であり、生きる意味だった。
だから、そんなことは
詭弁でしかないと思っていた。

そんな少年の前に広がる
壮大なフィヨルド。温かな食事。
懸命に生きる人。無償の優しさ。
目に映る「これまで見落としていたもの」に
少年は何を想う。

これは京都アニメーションスタッフの
企画によって生まれ、結城弘が綴った
寄り道の記憶。

オーロラの翼が示す、ほんのちょっとの遠回り。
その無駄とも思える
寄り道が見せてくれる景色がある。

STORY

たまには遠回りも必要なんです

共和国首都「星の街」出身の少年・リクは、姉を自称する少女・フィーレと共に復讐の旅路を進んでいたが、思わぬ事故により、停滞を余儀なくされる。

予期せぬ足止めを食らう中、近くの農村「ヨルンヘイム」に住む少女・カリナと出会い、村への滞在を提案される。
先を急ぎたいリクだったが、フィーレとカリナによって片田舎での生活を強いられることに。
ゆっくりと進む時間の中、リクは「見落としていたもの」に触れていく。

——そして、機を見計らったかのように現れる過酷な現実を前にした時、リクは。

復讐がすべてだった。
それだけが自分に赦された道、
幸福へとつながる道のはずだった。

己に課した生きる意味と、
失いたくない大切な人。
どちらを取るべきか。
僕は、それすらも分からない。

CHARACTER

KEYWORD

つきもの

一部の人間の身体に突如として現れる結晶のような物体。半世紀ほど前から確認され始めたが発症原因など詳しいことはわかっていない。

HL

乾電池サイズの半永久エネルギー源。都市の電力供給からキッチンタイマーまで幅広く活用されている。この在り方を巡り、世界で戦争が起きている。

無燈石(むとうせき)

あちこちに不規則に置かれた人間サイズの石。石自体が光る性質を持つが、その輝度もパターンもばらばらで外灯や資源としては役に立たない。

スレイブニール

共和国が開発したHLを動力源とする人型軍事兵器。第三世代型まで実際に軍事運用されている。第三世代型の通称は「ムヒト」。

星の街

共和国の首都。共和国内すべての技術・情報が集まっており、街内は昼夜関係なく明かりが灯されている。常に星が輝いているように見える様子から「星の街」と呼ばれている。

ヨルンヘイム

共和国内にある農村。他の村へは列車か船でしか行き来することができない辺鄙な場所にあるため外部から入ってくる情報も限られている。
村人たちは「ヤグディンの鯨星」の伝説を信じており、『鯨』が自分たちを救済してくれると思っている。

BOOK

オーロラとサーモン

  • 著者 | 結城弘
  • イラスト | くっか
  • 発売日 | 2026年6月26日(金)
  • 価格 | 946円(税込)
  • ISBN | 978-4-910052-69-4