卒業制作では、オリジナルのショートアニメーションを画コンテから原画、動画、背景などを自分で作るという初めての経験をしています。

現在は原画作業をしているのですが、ここで様々な気づきと学びがあることを実感しています。

まず、自分の作りたいと思った最初のイメージや感性が凄く大事であることです。

原画作業を進める中で、画コンテやレイアウトの段階でイメージが明確なカットほど、作業スピードが速いことに気づきました。その一方で、余りイメージが固まっていなく曖昧なままに進めたカットなどは動きを作る時に考えることに時間がかかってしまい作業スピードが必然的に落ちていました。

入塾当初から講師の方が仰っていた「一番最初に感じた感動や純粋な気持ちを大切にすること」の大切さがここに繋がっていることを痛感しています。

次に挑戦することです。

画コンテ作成時、「こういう演出のカットを作りたい!けれど、難易度が高いから今の画力でこれを表現できるのか……」と悩むことがありました。しかし、講師の方の「やれるやれないではなく、それをすることで作品が良くなったり、見ている人に伝えたい事が伝わったりするのであれば絶対にするべき」というアドバイスに背中を押され、なぜ制作しているのかという原点を思い出せました。

とても難しく、多くのアプローチと時間を要したカットでしたが、原画が完成した時の達成感は言葉にできないほどでした。

また、スケジュールの管理が難しく、最初に立てたスケジュール通りに上手くいっていないことが現在の自分の課題であると感じています。

作業前に自分でスケジュールを立てたのですが、なかなかその通りにいかずに悔しい思いをしています。

スピードを取るか、クオリティーを取るか。

この卒業制作に限らず、作品を作る上での一番の課題であり悩みだと思います。

締め切りを守るためには全てのことに時間をかけることはできませんが、そんな中でも妥協せずに良い作品にするために最後まで挑戦を続けたいと思います。

養成塾に通い始めて、もうすぐ3ヶ月が経とうとしています。運良くこの場所で学べる機会をいただけたことに、本当にありがたく感じています。

正直なところ、入塾前は大学との両立もあり、それなりの覚悟を決めて挑んだつもりでした。「きっとつらく、過酷な一年になる」と、どこか身構えていた自分がいたのも事実です。

ですが、実際塾が始まり通ってみると、毎回の授業で必ず新しい気づきや学びがあり、自分の実力不足で、思うように表現できないもどかしさ悔しさを感じる場面も多々ありますが、そうした事も含めて、今こんなにも楽しく学べていることに、自分でも驚いています。そして本当にとても幸せで、恵まれているなと感じています。

私がこの一年で目指したいことは、ただ動かすだけでなく、描くキャラクターに命を吹き込み、観る人の心に深く届くような表現ができるアニメーターになる事です。

それを実現できるようになるためには、観察力や技術の向上はもちろんですが、自分の内側にあるイメージや、感覚がすごく重要で、それを形にできる力も磨いていく必要があるのだと、この養成塾に入って初めて気づかせてもらいました。

私はこれまで自分の表現や、好きに対してあまり自信を持てずにいましたが、この塾での学びを通して自分の好きや、感性にも、もっと誠実でありたいと思いました。そしてこれからは、それらを少しずつでも表現出来るようになりながら、自分らしい強みを育てていきたいです。

2025.05.23

基盤作り

入塾して約一か月半が経ちました。
第一線で活躍されている方々と同じ空間で作業をすることに最初は慣れずにいましたが、今ではこの張り詰めた緊張感を心地よく感じられるようになりました。インプットの日々で頭がパンクしそうになる大変な日もありますが、新しいことを学べる喜びがモチベーションとなり、毎回の授業を楽しみにしながらスタジオへと向かっています。

一年間の目標ですが、プロのアニメーターになることは大前提で、そのうえで基礎画力を上げ、これからのアニメーター人生の基盤を作る一年にしたいと考えています。
教室に通っていて痛感したことは「画力不足」です。ただひたすら描けばよいのではなく頭を使って考え、研究しながら描く。これがすごく難しい。やってみたい演技があっても画力のなさで表現できないことがたくさんあります。見えない目標に向かっているようで逃げ出したくなる時もありますが、ほんの少しずつでも成長している自分の姿を確認できるたびに頑張ろうという気持ちになります。最初の授業で講師の方が「天才ほど人一倍努力をする」とおっしゃっていてすごく嬉しい気持ちになったのを覚えています。理由なく天才の人はおらず、努力をすれば何にでもなれるような気がして、日々の練習に身が入り、やる気にも繋がっています。

これからたくさんの壁が立ちふさがると思います。その壁を前にしたときにちゃんと越えられるようしっかりとした基盤を作っていきたいです。
すでに一か月半経っていることに危機感を持つとともに、後悔のない一年にしたいと思います。

現在私は「障害物を越える」という課題に取り組んでいます。

柵を飛び越えるという動きで、一度は経験したことのある動きであるのに自分で実際にやってみてもなかなか描くことが難しい課題でした。

自分が思っているよりも動きが大きかったり、固定概念でイメージしているところがあったりしてなかなか動きを自然に見せるような動きの演技プランを立てることに苦戦を強いられました。

また、パースもかかっていることもあって描くのが難しいポーズになるところもあり、何度も描いては消してのトライ&エラーでした。

この課題からは、実際の動きをよく観察して、何が要点になっているのか、動きの支点がどう変化したのか、動きのエネルギーの流れはどのようになっているのかなど、様々なところに注目してそれを一つ一つ汲み取ることの大事さを学びました。これをしないとあやふやなイメージのまま描くことになり、動きがチグハグになったり不自然な動きの流れになったりしてしまいます。

自然な動きを表現するためにはもっと誠実に観察をして様々な発見をしていかなければならないのだと改めて痛感しました。

この課題から得た学びや発見を他の課題にもしっかりと反映させて、自分がイメージした「自然な動き」を描けるようにこれからも鍛錬していきます。

卒業制作が始まり早くも二ヶ月が経ちました。
私は日本史の〈戦国時代〉を題材にした作品を制作しております。
卒業制作はこれまでの半年間でインプットしたアニメーション制作のための知識・技術をアウトプットする時間であります。この期間で塾にて教わった授業内容が卒業制作になって再学習されているなと実感しています。その中で特に重要だと実感したものが二つあります。

一つ目はアニメーションにおける「メリハリ」です。これは「武士が主人公に向けて弓矢を放つ」シーンを制作している時に実感しました。
始めに「武士が弓を引き、放った弓矢が勢いよく進んでいく」一連の動作を自分が思うイメージのままに制作しました。しかし完成映像からはどこか迫力に欠ける平坦な印象を感じてしまうものになってしまいました。
そこで講師の方にアドバイスを伺うと「メリハリを意識してみたら?」という助言を頂きました。助言を受けて、「武士が弓矢を弦いっぱいに引き絞る」=「タメ」の時間と、「放たれた弓矢が一瞬にしてトップスピードに達する」=「開放」の時間の二段階を意識して修正をおこないました。すると「ズバッ」とスピード感と迫力のある作画を表現でき、イメージに近しい映像をつくることができました。タメと開放、静止と運動、緊張と緩和などを包括的にした「メリハリ」がアニメーションにおける根本的な原理であり、この体験を受けて作画に「メリハリ」が加わることがいかに重要かこれまで以上に感じることができました。

二つ目は「観察」です。
上述した弓矢を放つ作画をするうえで、実写やアニメの弓道シーンを注意深く観察しました。スロー再生で一コマずつ映像を観てみると、弓矢をカメラが捉えきれず、弓矢が二重にブレていたり、しなって「くの字」に湾曲していたり、といった一コマが映像の中に潜んでいました。このような一コマが加わることでスピード感のある映像が生まれているのだと知ると同時に、ただ呆然と映像を見ているだけではこのような発見には至らないのだと自身を省みる良い機会となりました。
この体験を受けて「観察」の深度が高まったと実感しています。今後もあらゆる映像をコマ送りで見ることを意識しておこなっていきたいと思います。

これまでの塾で学んだ「メリハリ」と「観察」がより一層大切であるとこれまで二ヶ月間の卒業制作で気づかされました。この経験を残りの一ヶ月間に生かして、完成した作品が理想の映像となるよう頑張っていきます!