【京都アニメーション アニメーター科 第29期後期生】

私は現在、振り返る動作のアニメーション、均等な中割、アクションシーンのレイアウトの課題に取り組んでいます。

それぞれ目的や必要とされる技術の違いはあるのですが、課題すべてに共通する部分も決して少なくないと感じるようになりました。

その中でも、美的感覚はアニメーターを目指すなら必要不可欠だと度々思います。普段何気なく観ているアニメやドラマにも、制作側の意図やこだわりが詰まっており、それを見逃していては自分の力にはなってくれません。それは作品以外にも言えることで、日常生活で目にする物や人々の一挙一動を美しいと感じ、その感動を伝える為にアニメーションに起こすことが大切なのだと学びました。

振り向くアニメーションに挑戦した際、いかに自分が日常動作を観察できていないかを思い知ることができたので、常に美的感覚のアンテナを高くする意識を持っていこうと思います。

【京都アニメーション アニメーター科 第29期後期生】
現在私は動画の中割りの課題、振り返る人の動きを描く原画の課題、絵コンテからレイアウトを起こす課題に取り組んでいます。
それぞれの課題に取り組む中で、様々な改善点が浮き彫りになってきますが、最近は自分の中の根本的な問題の発見につながってきたと感じています。
例えば中割りの際に重要となってくるのがクリンナップなのですが、良いクリンナップをするためにはただ線をなぞるのではなく、形を捉えて意志を持って線を引く必要があるのだと教わってきました。しかし私はまだクリンナップで原画の印象を表現しきれずにいます。
また私は原画を描いていても、ラフの時に表現できていた印象を清書したときに失ってしまい、描くポーズが固くなりがちです。
つまり私は自分で描いた絵ですら漠然としか捉えられておらず、自分の表現にできていないのです。
これらの問題の根本的な原因は、私が一本一本の線を侮っていることだと思いま す。一本の線に表れる甘えがどれだけの印象の差を生むか、理解していないのです。
これは動きを描く上でも同じことが言えます。
どんな画であっても、つなげば最低限「動いて」見えますが、この段階ではアニメーションとは呼べないのだと分かってきました。画の一枚一枚が前後の動きや感情を予感させるものでなければ、表現の域には到達できないのです。
一枚一枚の画の精度、画の中の線一本一本の精度がとわれるのがアニメーションです。
このように私は課題に取り組む中でアニメーションの本質と、自分が抱える問題点に気づくことができました。
その上で、アニメーターを目指す私の最初の課題は線一本一本に誠実に向き合うことなのだと考えています。

【アニメーションドゥウ アニメーター科 第29期前期生】

私は現在、卒業制作に取り組んでおります。
先日から、本格的に原画作業に取り掛かり始めたのですが、私が作業をする際に意識するように心掛けていることは、

『「キャラクター」ではなく、「生きている人」を描く』ということです。

この心得は、表情の描き方に悩んでいた私に、講師の方が伝授してくださいました。

そのアドバイスをいただいた時、私はそれまでの作業において、「良い絵を描かなければならない」と手元にばかり集中して、根本的なことを忘れてしまっていたことにようやく気がつきました。
画力の有無に関わらず、私が「固い絵」しかかけなかった理由はそこにあったのです。

観た人に、どこかリアルで愛される作品を作るには、まず、自分自身が、1カットごとに愛情を込めて作り上げていくことが大切であるということを今回のことを通して学びました。

思うようにいかず、悩む時もありますが、そんな時こそ初心にかえり、自分が本来表現したかったものを思い出し、作品の軸をぶらさないように注意しながら、焦らず慎重に描き進めていこうと思います。

【京都アニメーション アニメーター科 第29期前期生】

私が現在取り組んでいる課題は、卒業制作です。塾生として一年間取り組んできたことの集大成として、個々人が思い思いにストーリーを構成し、絵コンテ、作画を全て一人で行っています。卒業制作が始まったのはちょうど一ヶ月前程で、今は主にレイアウトからいよいよ作画作業に入っています。

どのセクションの作業をしていても思いますが、作品を形にする過程は終始試行錯誤の連続です。ああでもないこうでもないと思考の沼に嵌ることもありますが、『伝えたいこと・表現したいことがアニメーション作品として形になっているか』を第一に、一年間自分のやってきたこと、講師の方々に教わったこと、そして今の自分を信じて前へ進むのみです!

・・・とはいうものの、卒業制作では作品延いては自分自身と向き合う時間が増える分、悪い意味で手元ばかりに意識が集中し、その所為で本質を見失いそうになることもしばしばあります。加えてスケジュールとの兼ね合いや進捗状況などの不安要素も重なると頭の中がパニックに陥ってしまいます。そんな時はふと自分の周囲を見渡してみたり、過去の授業課題やストックしてきたものたちに目を向けてみたりと、一旦肩の力を抜いて冷静になることも大事なのかなと思います。

あとは、自分の愛を最大限その作品に注ぎ込むだけです。

作画技術面における一つ一つの粗は引き続き改善しつつ、しかし作品制作を楽しみながら苦しみながら、まずは目の前の作業に全力投球で、一歩ずつ着実に作品の完成まで邁進していきたいと思います。

あけましておめでとうございます。
「原画」に関する授業を担当させてもらっています。
アニメーター科講師の小川です。

新しい年が始まりました。
改めて初心を大事にしていきたいと身を引き締めております。

普段はアニメーターとして仕事をさせてもらっていますが、
こうして、教える立場として塾生と接していると、
自分も初心に立ち返る良い機会になっていることに気づきます。

初心者だった頃の自分と、いまの塾生たちを比べてみて、
何か違いはあるだろうかなどと思い巡らせたりもするわけですが、

一人ひとり個性があって、強み弱みがあって、
違う人間だというのに、やっぱり、同じようなところでつまずいたり、悩んだり。
あぁ、一緒だなぁ、
自分も同じようなところでつまずき同じように悩んだなぁと
目を細めたりしています。

そんな経験をしたからこそ、対処法が分かるし、何が良くないのかアドバイスもできます。
そして、そうした事を乗り越えてきたからこそ今があるという自負。
気づけば、そんな積み重ねが自分の中で間違いなく、自信となり、代えがたい財産になってるのではないかと振り返ります。
もちろん、日進月歩、いちアニメーターとして終わりなき探求を続けている道中にございます。

自分がそうだったように、
塾生一人ひとり自負できるもの誇れる何かを
少しずつでいいと思うのです。
焦らず積み上げて自信に変えていってもらえたら いいなと、
そんな気持ちで今年も張り切って講師やっていきたいと思います。

どうぞ、よろしくお願い申し上げます。