2023.04.28
こんにちは。
プロ養成塾講師の太田です。
新しい年度となり、今年度のプロ養成塾も揚々とスタートしました。塾生たちのアニメーションを学ぶ熱意も、例年と変わらず感じられています。
さて、そんな中、私が最初に受け持った講義が「画角」についてでした。
聞き馴染みのない人も多い言葉だと思うので簡単に説明すると、「画角」とはカメラで映して見える範囲のことを言います。…要は、画面に映る映像(画像)そのもののことです。
アニメの画面は、実写やフルCGアニメなど他の映像作品と同じく、カメラのレンズを通して見えるものを基本として作っています。例えば、眼前に拳が迫ってくるような迫力ある画面を作りたいなら広角カメラレンズを。スポーツ中継のような、遠くから見た画面を作りたい時は望遠カメラレンズを。アニメでは、それぞれのシーンに合ったカメラレンズで見える景色を”絵で表現”します。「画角」の講義では、どのようにすれば皆がこれまでに見てきたアニメや映画・ドラマの、あのカッコイイ!画面が作れるのか、基礎的な絵作りの仕組みを講義しています。
やはり”絵で表現”するというのがアニメ最大の特徴です。本物のカメラやデジタルでは難しい、ケレン味のある嘘や空間を自然に、自由に作り出せます。そして、人の手で描いた画面には、同じカメラレンズを意識して描かれたものであっても人によるクセや感覚の差異によって個性が現れ、その個性たちが作品に意外性のある魅力を付加します。それがたまらなく面白いのです。
プロ養成塾の塾生たちも、当然、その面白い個性を秘めているはずです。私たち講師は塾生たちのその個性をしっかり発見し、それを遺憾なく発揮できる力を塾生たちが身に付けられるよう、これからの一年に向き合って行こうと思います。