美術・背景科講師の平石です。

3月になりました。
29期前期生には最後の1ヶ月です。
カリキュラムは1年ありますが、いつもあっという間に過ぎます。

この期間に講師としてどれだけの事を塾生に伝えられたのかといつも考えます。
塾生一人ひとりに伝わりやすいと思う方法を考え、技術や考え方を話しても習得できることは、ほんの僅かな量です。
それだけ習得することは簡単ではないのだと思います。
しかし塾生は今できることをやるしかありません。

美術・背景科の卒業制作で描かれた絵からは技術以上の力強さを感じました。
これは塾生自身が試行錯誤した結果であり、表現したいという気持ちが絵に込められているからなのだと思います。
本人にとっては至らなかった、もっとこうしたかったという部分はあるでしょうが、この強い気持ちがあればどこまでも成長し続けられます。
今の精一杯を出し切ったならまた次の1歩へと歩みを止めることなくさらに進んでもらいたいです。

2021.01.29

背景について

美術・背景科講師の笠井です。
現在美術・背景科では、卒業制作に入っています。
普段は、B4サイズの紙に背景を描く授業ですが、卒業制作は、B2サイズと大きい紙に描きます。紙の大きさやデータ解像度が、大きくなればなるほど、沢山の情報が画面に映ってしまいます。
小さいサイズの物を単純にひき伸ばしただけですと、画面がぼやけてしまいます。その為、大きいサイズを描く時には、しっかりとした情報集めが大切です。
背景では物を描いた時、形が上手くいかない場合や何か物足りないと感じた時などは、物の用途や構造を調べます。人の作った物は、何かしらの使いやすさや、使用目的があり何を描いているかを意識したうえで、描くと実在する説得力が出ます。
自身も入社したての頃、上手く描けない時は、「その物の構造を理解していない」と先輩から教わりました。絵ですので感覚で描く事も大切ですが、情報集めの大切さを塾生にお伝えし、成長できる力に変えていって、いただきたいと思います。

あけましておめでとうございます。
「原画」に関する授業を担当させてもらっています。
アニメーター科講師の小川です。

新しい年が始まりました。
改めて初心を大事にしていきたいと身を引き締めております。

普段はアニメーターとして仕事をさせてもらっていますが、
こうして、教える立場として塾生と接していると、
自分も初心に立ち返る良い機会になっていることに気づきます。

初心者だった頃の自分と、いまの塾生たちを比べてみて、
何か違いはあるだろうかなどと思い巡らせたりもするわけですが、

一人ひとり個性があって、強み弱みがあって、
違う人間だというのに、やっぱり、同じようなところでつまずいたり、悩んだり。
あぁ、一緒だなぁ、
自分も同じようなところでつまずき同じように悩んだなぁと
目を細めたりしています。

そんな経験をしたからこそ、対処法が分かるし、何が良くないのかアドバイスもできます。
そして、そうした事を乗り越えてきたからこそ今があるという自負。
気づけば、そんな積み重ねが自分の中で間違いなく、自信となり、代えがたい財産になってるのではないかと振り返ります。
もちろん、日進月歩、いちアニメーターとして終わりなき探求を続けている道中にございます。

自分がそうだったように、
塾生一人ひとり自負できるもの誇れる何かを
少しずつでいいと思うのです。
焦らず積み上げて自信に変えていってもらえたら いいなと、
そんな気持ちで今年も張り切って講師やっていきたいと思います。

どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

アニメーター科講師の松村です。
半年以上、「動画」の授業を行ってきました。
現在、塾生の皆さんは卒業制作を制作中です。

私は、「良い動きを描く為には何が必要か」と考えた事が有ります。
そして、それは「興味」ではないかと思いました。
動きの研究は自分で動いてみたり参考になりそうな動画を観察して理解を深めたりと様々ですが、「興味」からの研究は「ワクワク感!」が違います。モチベーションも上がり集中力も増します。
不意に、何気ない自分の動作や見た光景に「興味」を掻き立てられることも有り、それも自分の糧とするチャンスです。
そのため、私は日々何気ないことに「興味」を持つようにしています。

そして、塾生からも授業を通じて「興味」「ワクワク感」が凄く伝わってきます。集大成となる卒業制作の完成がとても楽しみです。

アニメーター科講師の堀川です。
現在後期カリキュラムの生徒の方々には「歩き」の作画課題に取り組んでもらっています。2枚の原画(キ―になる絵)に中割りを5枚ずつ入れ、合計12枚の絵で、繰り返しの歩く動きを表現します。
普段日常で何気なく目にする「歩く」動きは、キャラクターの存在感を担うとても大切な芝居です。腕の振り方、足の運び方、髪の揺らし方一つで、動きが固くなったり、柔らかく自然になったりするので奥が深いです。
描き終わると、生徒の方と一緒に描いた絵を撮影し動かしてみて、「形のブレがないか」「かかとの上げ幅はこれくらいが自然ではないか」等の気付きを得てもらい、実際の仕事と同じ視点で何度も手直しをして完成させていきます。
アニメーション制作は苦労も多いですが、上手くいったときの感動もまた大きいものです。
生徒の皆さんは日々一歩一歩着実に描き上げ、アニメーターへの道を歩んでいます。