アニメーター科講師の池田です。
先日から、レイアウトを起こしそこから原画を作成する授業が続いています。
絵コンテ、キャラ設定、美術設定、小物資料を基に求められた画面作りをしていきますが、気を配らなくてはならないポイントがたくさんあります。
絵コンテでそのカットがどういった意図のもとに描かれているのか、見た人にどのような印象を持たせたいのか読み取り、それを絵に反映させないといけません。
目線の高さをどこに置くか、カットの主題になるものの大きさや余白など、絵コンテでは指示されていないちょっとしたことでも印象はがらりと変わります。

また、その後原画を描くとなるとキャラクターが動くことも考慮しなくてはなりません。
キャラが移動することで画面への収まり方が変わります。キャラが動く「空間」を作らなくてはならないのですが、1枚絵のつもりで画面を作ると、キャラが動き出した途端破たんしてしまう場合もあります。
キャラ以外の物、たとえば机・椅子・ドア・小物などとの対比も要注意です。
こういった身近にあるありふれたものは、日常生活の中で得られた感覚と照らし合わせて描いていきます。

ただ、課題に取り組んでいると絵的に正確なものを描こうと必死になりがちですが、肝心なのはどう見せたいか、演技をさせたいかで、そこが動きの魅力につながります。
自分の「こう描きたい!」という気持ちをどんどん課題に注ぎ込んでいただけたらと思います。

アニメーター科講師の浦田です。
今月から後期生の新しい仲間が加わって賑やかに授業を進めています。

クロッキーを見ていると、塾生の皆さん絵が上手です。アニメーションの世界を目指して日々絵の鍛錬をしているのが分かります。
それでも授業でキャラクターを動したり絵コンテからレイアウトの絵を描こうとすると、思うように描けなくなってしまう事があります。
クロッキーはモチーフが目の前に立っているので描けるのですが、キャラの動きやレイアウトの場面は、モチーフが目の前に存在しないので頭の中に自分でイメージ出来ないと描けないのです。

僕は絵を一生懸命練習するのと同じくらい、イメージ力を育てることが大事だと思います。
だから塾生には良い映画や映像をたくさん鑑賞して欲しいです。若いころに感動したした作品のイメージはずっと頭に残るものです。きっとアニメーションを作る時に力になると思います。

2020.10.02

後期生入塾

動画担当講師の樫原です。

10月から後期生が入塾し、前期生にとってはあと半年となります。

新たに塾生が加わり、お互い刺激し合いながら切磋琢磨してくれることを期待しています。

私はドゥウ所属の塾生に直接教えることはありませんが、ドゥウの動画担当講師と課題の進捗状況を確認することがあります。

形の捉え方が上手くなってきたことや動かすことに創意工夫をしている点など情報共有しています。

教える立場ではありますが、自分も常に学ぶ姿勢を忘れず、塾生の心に響く声かけが出来るよう接していきたいです。

ひとりひとりの長所や個性を伸ばせる場になるよう講師として見守り支えていきます。

2020.09.18

中割り

初めまして。アニメーター科講師の井上です。
現在中割で手を上げるという課題に取り組んでもらっています。
ただ手を上げるというだけの動作ですが、これだけでもいざ描くとなるとどうすれば自然なのか、軌道を外れてはいないかなど気を付けるべきポイントはたくさんあります。
さらに動画となると、いかに滑らかに、そして崩れないように描くかも気を配らないといけません。
動画といえば、原画と原画の間を入れていくという作業という認識があるかもしれませんが、原画で何を意図しているかを汲み取って、その中でいかに個性を出していくという楽しみもあります。
例えばアニメを見てる時、コマ送りで見る事も結構あるかと思うのですが、見慣れてくるとどの絵が原画で、どの絵が動画かもわかるようになってきます。
そうして改めて見てみると、この原画の間にこんな中割を入れるんだ、とびっくりすることもあります。
人によってアニメを見るポイントは様々かと思いますが、どんな絵が入っていて、どうつながっていくかに注目しながら見ると新たな発見があるかもしれません。

美術・背景科講師の篠原です。
授業の中で絵をチェックしているとき、小手先の技術面の他に、そのものの構造について気になった箇所を指摘することがあります。
実在するものが違和感のあるように描かれていると、それが気になり上手い下手以前の問題になってしまいます。
構図や配色、線画の魅力なども大事ですが、“あるものをそれらしく描く”ということは絵に説得力を持たせる上で非常に重要であり、また想像以上に難しいことだと感じています。
普段よく目にしているものでも、いざ描いてみるとどこか違う、上手く描けない……というのは多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。
その度、あぁ知らなかったのだと気付いて一つずつでも覚えていく事、意識して目を向けていく事、そういった事が絵の上達に繋がっていく一つの方法なのかなと思います。
「食べているとき、寝ているとき以外は仕事をしているのと同じである。」と、入社したての頃に先輩から教わりました。捉えようによっては極端な話かもしれませんが、プロとしてやっていくならそれぐらいの意識を持って過ごすのが丁度良いと感じています。
塾生の今だからこそできる事を絞り出し、益々の上達に繋げていって欲しいと思います。