現在取り組んでいる課題は「立ち止まる、走り出す」というものです。
一度は目にしたことがある日常芝居なのに自分の思うように描けないことばかりで、もどかしさを感じています。自分で動いてみても、固定概念が邪魔をして本来の自然な動きが出来ないことも多いです。
走った状態から立ち止まる時、私は立ち止まる時に勢いで前傾姿勢になるだろうという固定概念がありその考えに縛られて描いていましたが実際はスピードを落とすために体の重心を後ろに置くような動きをしているのを見て驚きました。

大まかな理屈が理解出来てもいざ紙に描こうとすると頭の中のイメージがぼやけていて上手く再現できないので、観察しているつもりでも全く出来てないんだなと感じることばかりです。
この課題に限らず、いつも講師の方から観察することの大切さを説明していただく度に自分が観察できていると思っていても実際はまだまだ足りないということに気が付きます。
街を歩いている時や電車に乗っている時間も、何気ない人の自然な動きをコピーできるくらいしっかり観察して、アニメーションに落とし込めるようになりたいと思います。

6月も終わりに近づき、夏の日差しを感じられる時期になりました。
季節の移り変わり共に、プロ養成塾での日々が自分にとって日常になっていくのを感じます。
それでもなお、決して気持ちは緩むことはなく、入塾当初より「アニメーターになりたい」という気持ちがより強くなっています。

今は、「驚く」「立ち上がる」などの動きの原画や、中割り、クリンナップといった動画作業などの課題に取り組んでいます。
学んだことは多岐にわたり、この場では語りきれないほどですが、私にとっての最大の学びは『気づき』の大切さです。

入塾してからというもの、日々自身の画力の足りなさを実感しています。その度に悔しい気持ちでいっぱいになり、どうしたらこのモヤモヤから抜け出せるのか模索しながら描いています。

しかし、そういったことを繰り返していくうちに描いている時の自分の意識や感覚が変わったと感じます。何も分からないまま必死に描いていた時より、モノの軌道や、キャラクターの重心など、自分の間違いに自分で気づき、悩める幅が広がったのです。
そしてアニメを描くことが楽しくなってきました。

これは、講師の方からご指摘を受けることで自分の中で『気づき』が生まれ、次に活かすことができているからだと思います。

描くことを楽しむというのは、簡単なようで難しいです。上手く描けずに悩み、落ち込んでしまう日々が続くとネガティブな思考に陥ってしまい、描くことが楽しくなくなってしまうこともあります。
しかし、そういう気持ちで描いた絵は必ず良い絵にはなりませんでした。
「楽しまなければ良いものはできない」というのは絵に限らず、歌や踊り、演技など全ての表現活動に当てはまることだと思います。
なので、私はより多くの『気づき』を得られるように積極的にアニメーションを研究し、学び、自分の表現の幅を広げていきたいです。

また、不安や焦りから、空回りしてしまうこともあるので、一つ一つの課題と丁寧に向き合っていきたいです。

そして、決して後悔のないようにいつも全力で、楽しみながらプロ養成塾での日々を過ごしていきたいです。

プロ養成塾に入塾してから、一ヶ月以上が経ちました。時間が過ぎるのがとても早く感じます。

目標だった養成塾に入塾したことに未だ実感が湧かないのですが、同じ志で集まった仲間達がいて、日々アニメーションについて新しい知識が増えていくのが本当に楽しいです。

この一ヶ月様々な授業を受けてきた中で、今一番悩まされているのは「飛び越える」という課題です。人物を崖から崖へ飛び越えさせる動きの表現です。

崖と崖の間には距離があるため、まずは助走を描くのですが、私は大きくジャンプさせることに気をとられてしまい、本来なら助走の勢いで重心が前に向かって飛ぶはずが、上へ高くジャンプさせていました。

そのことを講師に指摘されるまでまったく気づかなかったことに、衝撃と自分の観察力不足を痛感しました。

塾の課題に取り組むようになって改めて、「観察する」ことと、「自分で動いてみる」ことの大切さを実感しています。

想像だけで描かず、実際に自分で動いてみて、よく観察することが私の今の課題です。

少しの時間も無駄にせず、日常の物事を観察し、それらを絵に描き起こすにはどうすればいいのかを常に考えるようにしていきたいです。

同じ「飛び越える」という動きでも、運動の得意な人と苦手な人の動きの違い、馬、猫、鳥、生き物によっても違いがあり、キャラクターやシチュエーションによっても様々な動き方があり、これから考えることはまだまだ沢山あります。

私自身も、助走を忘れずに、前のめりに大きく飛躍していきたいです。
これからの一年間を充実したものにするためにも、1分1秒を大切に学んでいきます。

2023.01.13

想像すること

卒業制作が始まりました。

まず卒業制作では普段描いているB4サイズとは違い、B2サイズに描くのでとても大きいです。さらに、決められたお題があるわけではなく、何を描こうかと悩みます。だからこそ自分がどんなものを描きたいか、どう表現したいか、どこを魅せたいか意識することが重要です。描いている場所に、もし実際自分が立っているならそこからの景色はどう見えるか、少しでも想像した景色に近づけるように試行錯誤していきたいです。

今、自分が思い描いているのは「人がいなくなって数百年たった京都」をテーマとして制作を進めています。人が全くいなくなった世界ではどうなっていくのか実際に見たわけじゃないからこそ、想像が大事になってくると思います。今まで当たり前に見えた景色は当たり前ではなくなり、見えていなかったものが見えるようになったりする気がします。例えば、見えていたビルが風化して潰れて見えなくなって、そこにはこれまで生えていなかった植物達が生えてきたりするのではないかと想像を膨らませています。これまで見えている景色は人の手入れがあって成り立つものが多く、竹林1つとっても人の手入れがあって綺麗に並んでいるけれど人がいなくなって誰も手入れしなくなれば人が通れる場所ではなくなると以前教わりました。

このように、いつも見えている景色が実は人がいるからこそ成り立っているだけで当たり前ではないんだということ、人がいなくなっても成長し続ける植物達の力強さ、そういったところを見せたいポイントとして制作を進めていきたいと思います。

この一年の集大成なので、これまで学んだことを大きな紙に表現し切ることができるように精一杯頑張りたいです。

卒業制作が始まり、現在はコンテ作業に取り組んでいます。

一から自分で話を創るという経験をあまりしてこなかったため、シナリオを考えるのを新鮮な気持ちで楽しんでいます。それと同時に、伝えたいことを正しく伝えるということが如何に難しいかを痛感しています。勢いに任せて話を進めてしまっては、見ている人を置いてけぼりにしてしまい、かといってただ説明を増やすだけではつまらないお話になってしまいかねず、そのバランスに苦労しています。

また、絵コンテ作業を始めてから、日常でアニメを見る際に自然とカメラワークや画角を気にするようになりました。見ている私達に話をより面白く伝えるため、一つ一つのカットに創意工夫がこらされて、アニメが成り立っているのだと改めて感じています。

現在制作している絵コンテが、映像になった際にどうなるのかというイメージを常に想像しながら、どうしたら見ている人に意図が伝わるか、楽しませることが出来るかを、突き詰めて考えていきたいと思います。