2020.09.18

中割り

初めまして。アニメーター科講師の井上です。
現在中割で手を上げるという課題に取り組んでもらっています。
ただ手を上げるというだけの動作ですが、これだけでもいざ描くとなるとどうすれば自然なのか、軌道を外れてはいないかなど気を付けるべきポイントはたくさんあります。
さらに動画となると、いかに滑らかに、そして崩れないように描くかも気を配らないといけません。
動画といえば、原画と原画の間を入れていくという作業という認識があるかもしれませんが、原画で何を意図しているかを汲み取って、その中でいかに個性を出していくという楽しみもあります。
例えばアニメを見てる時、コマ送りで見る事も結構あるかと思うのですが、見慣れてくるとどの絵が原画で、どの絵が動画かもわかるようになってきます。
そうして改めて見てみると、この原画の間にこんな中割を入れるんだ、とびっくりすることもあります。
人によってアニメを見るポイントは様々かと思いますが、どんな絵が入っていて、どうつながっていくかに注目しながら見ると新たな発見があるかもしれません。

【京都アニメーション アニメーター科 第29期前期生】
現在取り組んでいる課題にレイアウトというものがあります。‬
‪レイアウトはひとつのカットを制作する前に作る設計図となる絵のようなもので、自分はこれがとても苦手です。‬
‪なんせ、この1枚でシーンの全てが決まってしまうのです。‬
‪頂いた絵コンテから様々な意図を読み取り、紙に出力することは中々容易ではありません。‬
‪頭では思い描けていても、線を引けば引くほど理想と遠のいていく感覚を覚えます。‬
‪何かがおかしいことはわかっても、どう直せばいいのか分からず闇雲に線を引くこともしばしば。‬もちろんこれではなんの改善もできません。
‪また、その1枚ではよく出来たと思えても、いざ動きのラフを入れてみると動きの道中で破綻が出てきたり、要求されたものとは違う構図になってしまったりするのです。
‪私は、この課題を通して、改めてアニメーションは様々なことを考えて理解しながら描き進めていかなければならないことを痛感しました。‬
‪1つでもなにか頭から抜けたまま描き進めると、途端に素敵なものからは遠ざかってしまうのです。‬
‪そのことを常に念頭に置いて、これからの課題にも取り組んでいきたいです。‬

【京都アニメーション アニメーター科 第29期前期生】

現在取り組んでいるクリンナップ課題を通して考えた、課題に取り組む姿勢についてお話しさせて頂きます。

私はよくこのようなアドバイスをいただきます
「クリンナップも絵であること」
「ただ違和感をなくそうとしている」
などです。

頂いたアドバイスから、ただ線をなぞるのでは無く絵を描く、より良くする意識を持つこと(質感や立体などの意識)
作業的では無く楽しむこと、そうでないと良いものを作れないのだと思いました。

自分の目的を考え、細かい工夫よりそれ以外の大きな物の考え方を見直すべきだと課題を通して学びました。

【京都アニメーション アニメーター科 第29期前期生】

現在取り組んでいる課題は沢山ありますが、特に苦戦しているのが止まって走り出す、という動きの課題です。

私はそれまで、走るという基本の動きについては熟知しているつもりでした。

普段している日常的な動作は、普段から行っており描けて当然だと考えていたのです。

しかしいざ描いてみると、基本的な動きであればあるほど自分が普段から何も観察していないことを知り、愕然としました。

普段から観察より、自分でこうであるはずという先入観を先行させて見ていたこと、そして、良いアニメーションはそれでは永遠に生まれないことを、この数カ月かけてようやく学びました。

入塾してから、添削で自分の絵は粗いと何度も言われてきましたが、ようやくその意味と原因が解った気がして、落ち着いた反面、スタートラインどころかずっと後ろの方に吹き飛ばされた気がしています。

そこから挽回するべく、まずは自分の目を何よりも先に疑い、何が本当なのか見極める力を養わなければならないと感じました。

同時に、今まで軽んじていたクロッキーやデッサン等、基礎訓練の重要さに気付きました。今まではこれくらい出来る。と思考停止していたものが、このままではいけないとしっかり向き合えるようになってきて、先の長さばかり憂う反面、そういった鍛錬の楽しさを今一度噛みしめられるようになってきて嬉しく思います。

いつか必ず描けるようになる、という決意の元、これから少しずつ挽回していきたいです。

【アニメーションドゥウ アニメーター科 第29期前期生】

「立ち止まる、走り出す」の作画課題に取り組むうえで学んだことについてお話させていただきます。

私がこの課題を通して感じていることは、「自然な動きを描く難しさ」です。

違和感のない動きを描くには、様々な事柄に意識を向ける必要があります。
「アニメーターは絵描きであると同時に『演出家、カメラマン、演者』でなければならない」という言葉の重さを痛感する中、今の私に圧倒的に足りていないと感じるのは、「画力」です。

いくら描きたい理想の動きを追求していたとしても、それを正しく、柔らかい線で表現する技術が伴っていなければ、硬く、不自然な動きに見えてしまうということをこの課題を通して学んでおります。

骨格を正しく描けないことはアニメーターにとって致命傷でしかない、そのことを念頭において、毎日目標を掲げ、課題や自習に取り組んでいます。
思うように表現できなくて悩むこともありますが、それでも描き続けたいと思えるのは、講師の皆様のアニメーションに対する熱意に、日々感銘を受けているからです。

描くことの楽しさはもちろん、丁寧に添削してくださる講師の方々への感謝の気持ちを忘れず、毎日自分の「本気」を更新し続けます。