先日、絵に関する書籍を10冊ほど大人買いしたぱんぱりです。
どれも作家さんの個性が光っており、毎日夢中でページをめくっています。
自己投資という大義名分があると、何をどれだけ買っても許されてしまう気がするのは私だけでしょうか。
そういえば、まだ自己紹介をしていませんでした。
私は普段、アニメーションの背景を描く仕事をしています。
背景なんてあんまり見てないよって人がほとんどかもしれませんね。
アニメーションの主役はなんといっても可愛くてかっこいいキャラクター。
彼ら彼女らが何を思い、どんなセリフを言い、どのようにストーリーが展開していくのかが最大の関心事だと思います。
一方、そんな主役たちの後ろにひっそりと佇む背景に心を鷲掴みにされ、電柱とか雑草とか雨樋を喜々として描いているのがこの私(達)です。
この壁の汚れ具合がエモいよね…なんて会話は日常茶飯事。
いかに使い古された雰囲気を出すか、その辺の雑然とした空間をどう表現するかに日々苦悩しています。
キャラクターが存在する世界を構築している…と言い方を変えればとても大きな役割を担っている気がしてきます。脇役とはいえ、完成した映像の大部分は背景が占めるので責任も重大。
皆誇りをもって楽しく仕事をしています。
最近、一緒に働いている仲間を見てつくづく思うことがあります。
それは、皆それぞれのこだわりを持っているということ。
職業柄、当然絵を描くことが好きな人ばかりですが、絵に対して「いいな」と思うポイントはそれぞれ違うようです。
細かく描き込まれたリアルな描写が好きな人
線を残したイラストっぽさが好きな人
絵画のような重厚感を目指す人
絵の具で描かれた絵に惹かれる人
デザインっぽい絵にワクワクする人
色鮮やかな色彩に魅力を感じる人
キャラクターとの一体感を重視する人
絵を動かすことに興味がある人
同じ「絵が好き」でも、実は好みがちょっとずつ違います。
しかし、例え自分の好みでなくても、そんな絵柄もいいよね、そんな表現の仕方もあるのか、とお互いを認め合っています。
自分の好きを主張しつつも、相手の価値観も理解すること。
自分とは異なる考えに触れる度に、それぞれの個性を認め合って、切磋琢磨しながら良い作品を作っていきたいなと思うのでした。