お久しぶりです。味しみ大根です。
冬が好きなので少しずつ暖かくなる日々に少し名残惜しさを感じつつ、
花粉対策にいそしんでいます。
さて、皆さんは「Wらし(ダブらし)」というものをご存じでしょうか。
アニメーション表現の一種で、素材の上に別の素材を透けるように重ねて撮影する技法のことを言います。
他社様や教本などでは別の言い方をされていたりするのですが、当社では「Wらし」が共通言語です。
透けるようにと言った通り、水やガラスのコップ、うすい布など、奥にある物を透けて見せたい時に使います。
出てこない作品はないと言っても過言ではないほど、よく使われる表現です。
ただこのWらし、ただ重ねれば良いというものではありません。
色にこだわるものとしては、透けた時の奥の物体がちょうどいい色になって欲しいのですが、
Wらし表現ではそれが絶妙に難しい場面がよくあります。
その場合は奥の物体をあらかじめ調整した「手前の物が透けている色」で塗っておくと、
ばっちりちょうど良い色が出せるのです。
色を調整したり塗り分けたりする手間はかかるのですが、格段に良い画面になります。
皆さんが映像を見た時に綺麗だなとか、それっぽいな、と思ってもらえるように、
地道にそんなことをしているのです…!
普通に見ている分にはあまり気づかないと思いますが、
透けているものを見たときに思い出してもらえると、違う視点で見られて面白いかもしれません。
以上、制作小ばなしでした!