先日、前から欲しかった間接照明というオシャレアイテムを自宅にお迎えしました。
電球色の光に包まれたムーディな部屋で、毎晩リラックスタイムを過ごしているぱんぱりです。
小さなライトをテレビの裏に置いただけなのですが、光源が違うだけで部屋の雰囲気がガラッと変わります。見慣れない落ち方をしている影を興味深く観察しています。
光と影といえば、絵を描く上でも非常に重要な要素のひとつ。
光を描くということは影を描くということ…光を感じる絵は影が決め手になります。
影の形や色によって、時間帯や場所、形状やその場の雰囲気、観る人の感情までコントロールできてしまう…大げさでしょうか?
例えば、影の伸び具合で太陽の傾きがわかります。屋外の影は青空の影響で青みを帯びて見えます。影の形が波打っていれば地面に起伏があるということ。顔に下から光を当てると怖い雰囲気になったり、横から当てると立体感が強調されて迫力が出たりもしますよね。
映像を作っていく中では、「もっと影を寒色に」「嘘でもここに影落としてほしい」「コントラストを強く」など、正しい落ち方や色を追求することもあれば、画面全体のかっこよさを優先することもあります。
私は写真を撮るときもよく影に注目します。面白いシルエットを見つけるとつい撮ってしまいます。
普段あまり意識することはないかもしれませんが、身の回りの影に目を向けてみると新しい発見があるかもしれません。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」では光の印象を特に大事にしています。
ガス灯と電灯、蝋燭と焚き火、晴天と曇天、室内の照明と窓からの光、東向きと西向き…光源の種類を区別し、向きと照射範囲を考え、キャラクターと背景の整合性もとりつつ、影を実直に追い求めることで写実性を持たせています。
そんな光と影にもこだわり抜いた「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
是非多くの人に届いてほしいと思える仕上がりになっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします!