ぴん球

散歩

  • ぴん球
  • 2022年02月03日

最近散歩にハマっている。

 

きっかけは、健康を考えてのこと。

長時間座っている仕事のため、日常生活の中ではあまり運動をする機会がなく、体が鈍りがち。ダイエットも兼ねて、ちょっと散歩でも、と始めてみた。

 

始めてみると、散歩、とても良い。

 

まず、日中ほとんど室内にいるので、ふらっと外に出ると意外といい気分転換になる。

目的地のない散歩は、ふと興味の惹かれた方へどこにでも行ける。

あっちには何があるかな?あの人どこへ行くのかな?あの店どんな店かな?

どこに行くのも何を考えるのも自由で、歩いてもいいし、走ってもいいし、ただぼーっとしててもいい。自分の好きにできる時間はとてもリラックスできる。

 

そして外を歩いていると、たくさん刺激を受ける。

最近は、ふとスマホを見てしまうことがよくある。スマホには世界中の情報が詰まっていて、知らないことは一秒で検索できてしまう。スマホを見るだけで、世界の全てがわかるのでは?と思ってしまうほど。

でも、実際散歩をしてみると、スマホにはない情報がそこにある。

今目の前にある色、匂い、音、風、温度、たくさんのものが、画面からは感じられないものだ。写真では、整然として見える石畳も、少しつまづくとその凸凹具合が感じられ、パン屋が無くたって、パンのいい匂いがする道があったりする。写真とは、比べ物にならないくらい、解像度の高い風景だ。

近くを通り過ぎる人、洗濯物を干している人、何か食べている人、色々な人がそこにいる。

歩く速さや歩き方、楽しそうだったり、真剣だったり、いろんな表情でみんな違う。全然知らない人なのに、なんかその人っぽいな〜と思ってしまうこともある。見ただけで感じる雰囲気っておもしろい。洗濯物の干し方も人それぞれで、洗濯バサミを丁寧に使う人や、全部棒に引っ掛けてるだけの人、自分には考えもつかなような驚きもあったりする。

外の風景の中には、たくさんの人の日常があり、それは、その場にいなければわからないものだ。

 

私達の仕事は、キャラクターの日常を描く仕事だ。

そのキャラクターが何を考え、どうするのか。何が好きで、何が嫌いで、どんな風に動いて、どんな風に笑うのか。そんなことをたくさん考えて、確かにそこにある様に、命を生み出す仕事だ。

自分の知らない人間を生み出すことは、自分の知らないこと、思いもよらないことを知らなければならない。画面の向こうにある世界には、日によって変わる色があったり、思いもよらぬ匂いがあったり、未知の生活習慣があったりすることを想像しなければならない。

そしてそれは、ふらふらと散歩に出た世界の中に必ずあるものだ。

 

散歩ってとっても良い。

 

私はそう思って、明日も散歩に行くのである。