初めまして、クリエイターズ・ダイアリー初参加のなんこつと申します。
仕上げ職で色々担当しています。
ゆる可愛い生き物が大好きです。今後ともゆるりとよろしくおねがいします。
今日は、仕上げ職のうちの一つ、「特殊効果」の仕事について語ってみようかと思います。
「特殊効果」、略して「特効」とは、デジタルペイントで仕上げられたベタ塗りのセルに、
質感やほほの赤らめなどのグラデーション表現を付け足したり、
効果線や空気のエフェクト素材をブラシで描いて作ったりする工程です。
『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』では、様々な“汚れの質感”にこだわりました。
小物に付いている汚れは何かが付着して汚れているのか、経年劣化によるものなのか?など、
色指定陣と細かくイメージのすり合わせをしたり。
後半でヴァイオレットの肌や服に付く汚れも、泥水が跳ねたての水っぽさのある汚れ、
それが少し乾いて砂っぽくなった汚れ、服に染み込んで滲んだようになっている汚れ、など、
付いている箇所や時間経過によって微調整されています。
また、ヴァイオレット自身はとてもキレイな女の子なので、
汚れてはいるけど“汚く”見えないように…!というのも大事なポイントです。
設定の時点からいくつか試し吹きをして、色彩設計や監督の意見を取り入れつつ、完成形に至りました。
ドルビーシネマ版ではこうして繊細にこだわった特効の表現も理想通りに映像に反映されていました。
媒体もどんどん進歩していて、自分たちのこだわりがしっかりそのままお客様に届けられるようになったことがとても嬉しいです。
逆に言うとめちゃくちゃ細かい部分まで見えるので、身が引き締まる思いもします…!
現在制作中の『小林さんちのメイドラゴンS』でも、特効の技術がたくさん駆使されています!!
他セクションの方々も書いていますが、ヴァイオレットとメイドラゴンでは絵のコンセプトが全然違っているので、
また違ったセンスと技術が問われる日々です。
スタッフ一同で試行錯誤して作っているこの作品を、早く皆さんにお見せしたいです。
7月をどうぞお楽しみに!!