味しみ大根

センスある引き算

  • 味しみ大根
  • 2020年10月29日

初めまして、味しみ大根です。色にかかわるお仕事をしています。

 

「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」引き続き公開中です。
沢山の方に観て頂けているようで、とても嬉しいです。ありがとうございます!

 

さて、私は今、次作品のお仕事をしています。
作品によってやりたい事、目指している映像が違うのですが、今作業している作品は色の観点からは

『センスある引き算』を目標の一つとしています。

 

線や塗り分けの情報量が多ければ多いほど、より複雑な絵になって豪華に見えますし、それが求められる作品もあります。
ただ今回の作品が目指すものとは違うので、ある程度情報量を減らす必要があります。
その時にどこを削ってどこを残すのか。それが『センスある引き算』です。

 

情報量を少なく、いかに効果的に見せるかというのは
きっと皆さんが思っているよりも難しく、かなり奥が深いです…。
私もまだまだ勉強中です!

 

良ければ、これまでの作品ごとの色の違いなど見てみてください!

アナゴ

新しい発見

  • アナゴ
  • 2020年10月26日

アナゴです

今実作業は、次作品の演出をしています。

制作中は、常に新鮮な発見が有ります。

今回は作画で、カット尻の動きの納め方についてでした。内容については全く違うのですが同じような事が数カット有りました。エフェクト(煙、水等)のラスト部分と、駆け寄るキャラクターの動きが止まる時のタイミングです。少しのことでしたが、映像になった時の差は大きいです。一瞬の差で、出来上がる映像の印象や分かりやすさは大きく変わります。これまでによく似た感じのシーンを何度か担当したことが有りますが、少し固定観念が取れた感じです。作品に反映して、力のある作品に仕上げたいです。

今担当の作品から、新しく原画になったメンバーが参加しています。これからが楽しみです。

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン、多くの方に見ていただけていてうれしいです。作品を通じてのつながりが何よりの喜びです。

ぜりー魚

もうすぐ11月!

  • ぜりー魚
  • 2020年10月22日

10月中旬を過ぎて、気候も少しずつ寒くなり秋の季節を感じております。

昨年、購入した小さいパキラの木は、上へと葉を伸びていく様を観察し、

日々楽しんでいます。

パキラは、耐陰性もあり半日影でも育ち室内のどこの場所でも強く育ちます。

挿し木をして、水につけておくだけで根が生え、葉も伸びるくらい非常に元気な

観葉植物です。

「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」制作を思い返して、

ヴァイオレットの世界でも、国、気候、季節、文化、

もちろん植物の違いもあり、その土地に合うように考えられています。

場所が変わると、植物の違いはその土地の気候に大きく左右され、

例えば、ヤシの木、オリーブの木、ブドウ畑などそこの土地ならではの植物が

生えています。映像内で土地ならではの植物を探してみてはいかがでしょうか。

監督より、時代の変化、経年変化、写実性を求められていました。

土地に合う植物を生やすのもその一つです。

この写実性の中身が一番重要です。

ただ写真のように描くだけではなく、真実味があるように、

またはそのように感じられるように描く事を目指していました。

植物について色々と語りましたが、ヴァイオレットの生きる世界の雰囲気

を映画館の大きいスクールで楽しんで頂けると幸いです。

未視聴の方は、よろしければこの機会にご覧になって下さい。

こまいぬ

公開からひと月☆

  • こまいぬ
  • 2020年10月19日

こんにちは☆

はじめまして、こまいぬといいます。よろしくお願いします。

                                    

早いもので、「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の公開からもうひと月が経ちました。

たくさん応援いただきありがとうございます!                                       

ヴァイオレットちゃんを劇場でめいっぱい浴びた今、このダイアリーも、見てくださる方へのお手紙のような気持ちで綴っていけたらなと思います。

拙い文章にはなりますが、お付き合いよろしくお願いします。

                                                                         

「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の制作が始まる際、

「ヴァイオレットという一人の女性の人生を描ききる」という監督の言葉があり、自分もその思いを線に乗せていくつもりで制作にあたりました。       

一度出来上がった映像を、より求める映像へと表現を高めるために、修正を重ねるリメイク作業というものがあるのですが、特にそのリメイク作業にあたる中では、監督の求める映像作りへのこだわりを、修正箇所の一つ一つから感じ、ものづくりの大変さゆえの面白さを感じていました。                                    

眉毛や瞳のブレ方などまつ毛の先まで繊細に、線一本分にも満たない違いも拾いこぼさないよう表情を修正することや、花びら一枚ずつの葉脈足し、帽子のサイズ感、キャラクターの立ち方・姿勢なども修正が重ねられました。                                     

こだわりを持って時間の許すギリギリまで向き合い続ける姿勢、また一人一人その思いに応えようと必死になっている姿があったと思います。                                               

これまでのクリエイターズ・ダイアリーの皆さんのお話を読んでいても、あらためて「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の制作は、本当に各セクションの皆の力の集結だなぁと感じます。                                   

劇場様ごとの宣伝や装飾を見ていても思うことですが、関わる方々のたくさんの力を感じさせてもらうことの多い毎日です。 

私も人の力になれるお仕事を目指します。

                                  

それでは、全然手紙のようには書けませんでしたが…

今週も良い一週間を!

ハム平

大きくなるよ

  • ハム平
  • 2020年10月15日

4年前に友人から貰ったユーカリの苗木が、今では2階にまで届きそうな木になりつつあります。植物の成長はすごいなと思いつつ、このまま更に大きくなったらどうしようかと思っています。

 

どうもお久しぶりです、ハム平です。

 

「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」観ていただけましたでしょうか?明日から新しい入場者プレゼント35mmコマフィルムが配布されますので、まだ観ていないという方は、ぜひ劇場まで足をお運びくださいませ!

 

さて今回も作画監督と原画を担当させていただきました。そして例にもれず制作のお話をしたいと思います。

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデンという作品ではキャラクターの表情をとても大事にしています。ですが、小さい絵だと動画作業や2値化した際に、元の原画と表情のニュアンスが変わってしまうことがあります。それを防ぐために今作では「拡大作画」というものを多く使用しています。

パーセンテージはカット毎で色々ですが、125%から大きい時で200%くらいまで拡大します。大きくなった分だけ表情が描きやすくなるのですが、それに伴い線を引く量も倍になりますので、地味に大変な作業になります。

拡大して表情が描きやすくなったとは言え、線が緻密であることに変わりません。線1本分どころか0.2本分くらいの差でニュアンスが変わってくるので、原画作業時は息を止め、鉛筆の先にだけ意識を集中させ描いていました。

社内スタッフの中には2cm程しかないキャラクターの表情が描ききれないと苦労する人や、0.1mmのシャーペンを使う人、1万円程する巨大ルーペを使う人など色々いました。彼らの良くしようという努力と情熱が画面に反映され、皆様に届けばいいなと思います。