独楽

目線②

  • 独楽
  • 2021年04月12日

こんにちは。独楽です。

 

前回と似たようなタイトルですが、今回はまた違ったお話をしたいと思います。

  

「目は口程に物を言う」ということわざがあります。

情のこもった目つきは言葉で説明するのと同等に相手に気持ちが伝わるものという意味ですが、アニメにおいても「目」というものはやはり重要な要素になります。

 

キャラクターを映した画面の場合、構図にもよりますがそのキャラクターが画面の主題となっていることが多いです。

観る人の目線はキャラクターに集まりやすく、顔が映っていれば顔へ、ひいては目へと吸い寄せられていきます。

 

表現を行う上でキャラクターの表情、とりわけ目はとても重要で、
「目は口程に物を言う」という言葉のとおり、ここの描き方ひとつで観る人に伝わるものが変わってきます。

アニメに限らず、絵で表現されたキャラクターは作品ごとにデザインされており、「目」の形状も様々、千差万別です。

そこに表情を付け、嬉しいや悲しい等キャラクターの感情を描き表さなければなりません。

 

なんだか難しく聞こえますが、絵で表されたキャラクターはある意味で記号化されているので、そこに乗せる表情も実はある程度パターン化されています。

顔文字なんかがいい例ではないかと。

 (>_<) (^_^) (;_;) (@_@) 等

こう描けば、こう見えるというテンプレートのようなものがあり、それに則して描けばどのようなデザインでもある程度表情をつくることができます。

 

さっきから「ある程度」と付けているのは、ここからが難しい部分で、実際に絵として仕上げる際には適した表情が描けているか常に微妙な調整が必要になりますし、例えば「嬉しいと悲しいが同居した顔」なんていうものも、キャラクターを表現する中で普通に出てくるからです。

 

瞼と瞳のかかり具合とか、左右の白目のバランスとか、目と眉毛の距離とか、目線がこれで合ってるかとか、これでいいのか毎回四苦八苦しながら描いています。

でもそんなことを考えながらキャラクターの表情をつくっているときに

「今、命を吹き込んでいるなぁ」なんてことを思ったりします。

 

画面の中に生きるキャラクター達の目を皆さんが見たときに、皆さんの心に何かが届いていればいいなぁと思います。

 

それでは、また。

てんぷらヨーグルト

おちょこを買った話。

  • てんぷらヨーグルト
  • 2021年04月08日

こんにちは!作画のてんぷらヨーグルトです。


天ぷらが大好きなのですが、最近天丼を食べきるのが苦しくなってきた気がします。
なのでヨーグルトを添えて緩和してみました。よろしくどうぞ。

最近、友達と某有名なお寺へ出かけました。住んでる地元に近すぎる観光名所は逆にあまり行かないよねという話になり、観光してきました。

甘酒ソフト美味しい…。

お寺への道にはたくさんのうつわのお店があります。
友達が家にあるご飯茶碗を割ったのでここで買っていきたい、と片っ端からお店を覗いていきました。
するとそこでひとつのおちょこに目が留まりました。

全体は紫がかった鉛色で底が鈍く光っており、そのきらめきがまるで
月に雲が薄くかかった時に見える、淡い虹のようにみえました。

きれいだなあと手に取ったおちょこをずっと眺めていると、お店のおばあさんがそばに来て
そのおちょこを作った作家さんの話を少ししてくれました。

最近力をつけてきた新人の方だそうで、このおちょこと並べて一緒に焼いて作ったもう一方の
おちょこは出来があまり良くなく、引き取らなかったというエピソードまで聞きました。

そばで同じように焼いていてもそれぞれ器の表情が異なってくるようで、実際私が手に取ったものと同じ種類のものでも、大変きれいでしたが色味、輝き方がより明るくなっていたり透明感があったり
しました。

改めて職人の世界はやっぱり大変だなあとしみじみ思いながら、「このおちょこ気に入りました!!」という思いも込めて購入させていただきました。

気づけば友達はすでに茶碗を買って待ってくれていました。
そして購入した器にほくほくしながら我々は帰路につき、満足した一日を過ごせました。

作家さんの名前をメモしてくるのをうっかり忘れてしまいましたが、またいつかあそびに行く事があったらもう一つ買って、友達と飲みたいなあと思ってます。

それではまた!

まんまる

動画のお仕事について

  • まんまる
  • 2021年04月05日

はじめまして まんまると申します!!
動画を担当しております。駆けだしの身ではありますが宜しくお願いします。

新年度を迎え、新しいスタッフとの顔合わせがありました。
先輩スタッフ含めそれぞれ一人ずつ自己紹介をしていくのですが、私が一番声がうわずっており、周りから君が一番フレッシュ感があったよと言われてしまいました…(笑)
人前で緊張しないようになりたいです…!

さて、動画のお仕事についてですが
動画は原画の動きをなめらかにして命を吹き込む、とても大事な工程になります。
例えばこちらの原画3枚、鯉のぼりのなびきアニメーションですが、

それぞれ原画の間に動画を3枚入れ、計12枚のアニメーションを作り、失敗した例と比較的成功した例をならべてみます。

こちらが失敗した例(赤)

私が入社一年目に描いた鯉のぼりになります…
動きに勢いをつけようとして、原画の意図にない動画が入っており、ピクピクと不自然な動きになっています。

こちらが今回描きなおした例(青)

失敗した例と比べれば、おヒレの部分が自然な動きになったかと思います。ただこちらの動画も動きが固く、まだまだ改善の余地があると感じます。もっとうまくなりたいです!

このように同じ原画でも間に入る動画で印象が大きく変わります。今回は鯉のぼりのなびきアニメーションでしたが、4月から再放送となる「小林さんちのメイドラゴン」でも、小林のネクタイや、トールのツインテールなどでも様々ななびきアニメーションが見られます。
動画セクションとしてこだわっているポイントなので、ぜひ注目していただきたいです!

きよみず

線のこだわり

  • きよみず
  • 2021年04月01日

初めまして。

今回からクリエイターズ・ダイアリーに参加させていただきます、

きよみずと申します。

お仕事は仕上げセクションです。どうぞ宜しくお願い致します。

 

新年度が始まりましたね。

新しい生活を始められる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

 

私が新入社員だった頃は右も左もわからずでした。

仕上げの仕事は色を作ったり、塗ることだとは理解していたのですが

その中でも、先輩方が線の表現について並々ならぬこだわりを持っていらっしゃることに

驚いた記憶があります。

 

仕上げは紙に手書きで書かれた絵をデータ化するセクションでもありますので

アナログの最終工程を経てデジタルになっても

作画さんの意図が表現できるように、ゴミ消しや線の補正には細心の注意を払います。

 

線ひとつ取っても、勢いのある線・力強い線・繊細な線・ツルっとした線・ガサっとした線等、

様々な表情があります。

ひとつひとつに書き手の想いや考えが乗って「味」になっていることが

だんだんとわかってきました。

今では とても奥が深く面白いなとを感じています。

   

オールデジタルの発展も目覚ましいですが、

この紙と手書きの線にどことなく愛着を感じてしまいます。

 

線に注目した作品の楽しみ方も面白いですよ。

それではまた。